運営: Edamame Inc. · 東京・マニラ · Kintone運用2019年より

kintoneで複数アプリのデータを集計する方法

kintone標準のグラフ・集計機能は、1つのアプリの中で完結します。売上は売上アプリ、目標は目標アプリ — 業務上は当然の分け方でも、この時点で「予実対比のグラフ」が標準機能では作れなくなります。実務でとり得る4つの方法を、それぞれの限界まで含めて整理します。

なぜ標準機能では集計できないのか

kintoneのグラフは、対象アプリを1つ選んで作成します。集計対象のレコードは、そのアプリ内のレコードだけです。関連レコード一覧フィールドで他アプリのレコードを「表示」することはできますが、関連レコード一覧の値はグラフの集計対象になりません。参照はできても集計はできない、という設計です。

さらに厄介なのが、アプリ間でフィールドの型が揃っていないケースです。売上アプリの受注日は日付フィールド、目標アプリの対象期間は「FY2025」「Q1」というドロップダウン — 実務ではごく普通の組み合わせですが、この2つは機械的には突き合わせられません。

方法1: 関連レコード一覧 + 計算フィールド

親アプリに関連レコード一覧を置き、集計値を計算フィールドで持たせる方法です。1対多の単純な合計(例: 案件に紐づく見積の合計金額)なら機能します。

限界: 関連レコード一覧はキーが完全一致する必要があり、期間や区分での突き合わせはできません。集計軸を変えるたびにアプリ側の改修が発生し、3つ以上のアプリをまたぐ集計は現実的に組めません。

方法2: JavaScriptカスタマイズ

REST APIで複数アプリのレコードを取得し、クライアント側で集計してグラフを描画します。自由度は最も高く、やりたいことはほぼ実現できます。

限界: offset10,000件で頭打ちになるため、レコード数が増えるとcursor APIへの作り替えが必要になります。加えて、作った人が異動・退職した時点で誰も触れないコードが残ります。運用コストは初期開発費より高くつくことが多い領域です。

方法3: CSV出力してExcelで集計

最も確実で、最も多く選ばれている方法です。そして毎月手作業が発生する方法でもあります。

月次で30分かかる作業は年6時間。それ自体より問題なのは、数字が最新でなくなることです。会議のたびに「これいつ時点の数字?」が発生する状態は、ダッシュボードとしては機能していません。

方法4: 集計専用プラグイン

アプリをまたいだ集計を前提に作られたプラグインを使う方法です。アプリの構造を変更せず、共通キーで突き合わせて集計します。

選ぶ際に確認すべき点は3つあります。(1) データが外部サーバーに出るか — 出る場合は情報システム部門の審査対象になります。(2) 年度(4月開始)に対応しているか — 海外製品では1月開始固定のものがあります。(3) 日付フィールドとドロップダウンを突き合わせられるか — 予実管理では必ず必要になります。

どれを選ぶか

単純な1対多の合計だけなら方法1で足ります。集計軸が頻繁に変わる、あるいは3アプリ以上をまたぐなら、方法1と2は運用で破綻しやすくなります。月1回の定例資料だけなら方法3が現実解です。恒常的にダッシュボードとして見るなら方法4が最も総コストが低くなります。

よくある質問

関連レコード一覧の値はグラフで集計できますか?

できません。関連レコード一覧は他アプリのレコードを参照して表示する機能で、表示された値はkintone標準のグラフ・集計の対象になりません。集計するには計算フィールドに値を持たせるか、別の方法が必要です。

日付フィールドと「FY2025」のようなドロップダウンを突き合わせられますか?

kintone標準ではできません。日付から年度・四半期・月を導出して対応付ける処理が必要になります。Kinplug Dashboardはこれを自動で行い、年度は4月開始が既定(変更可)です。

レコードが10,000件を超えると何が起きますか?

REST APIのoffsetパラメータは10,000件が上限です。これを超える範囲を取得するにはcursor APIを使う必要があり、JavaScriptカスタマイズの場合は作り替えが発生します。

集計プラグインを入れるとデータは外部に送信されますか?

製品によります。外部サーバーで集計する製品と、ブラウザ内で完結する製品があります。Kinplug Dashboardは後者で、閲覧ユーザー自身のkintoneセッションで実行されるため、レコードを保持する外部サーバーはありません。

アプリ間集計を前提に作られたダッシュボード

Kinplug Dashboard は共通キーでアプリ同士を比較し、複数アプリのレコードをまとめて集計します。日付とドロップダウンの期間は自動で対応付け、年度は4月開始が既定です。集計はブラウザ内で、閲覧ユーザー自身のkintone権限で実行されます。

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