kintoneから見積書を作って、そのまま送る
見積書の業務が面倒なのは、作ることではなく受け渡しです。kintoneで案件を管理しているのにExcelで帳票を作り、PDFに変換し、メーラーを開いて添付し直す。この持ち替えのたびに、版の取り違えと送り忘れが起きます。レコードから生成してそのまま送るところまでを、kintone内で完結させる構成を整理します。
よくある現在の流れ
案件レコードに金額も明細も揃っている。ところが帳票にする段になると、Excelテンプレートを開いて転記するか、CSVで書き出してマクロに流す。できたPDFを保存して、Outlookを開いて、先方のアドレスを探して、添付して送る。
問題は手間の量ではなく、切れ目の数です。転記でひと桁間違える。古いテンプレートを開く。添付し忘れて「ファイルが付いていません」と返信が来る。どれも珍しくありません。そして送った記録はkintoneに残らず、担当者のメーラーの中だけにあります。レコードから送信までの流れ
| 手順 | 担当者の操作 | 裏で起きていること |
|---|---|---|
| 1 | 見積レコードを開き、PDF生成ボタンを押す | テンプレートにレコードの値と明細行が差し込まれ、PDFが生成される |
| 2 | (操作なし) | 生成されたPDFがレコードの添付ファイルフィールドに保存される |
| 3 | メール送信ボタンを押す | 宛先・件名・本文がレコードの値から差し込まれ、添付ファイルが選択された状態で確認画面が開く |
| 4 | 内容を確認して送信 | 自社のGmail / Microsoft 365メールボックスからOAuth 2.0で送信される |
| 5 | — | 送信済みトレイに残り、返信は同じメールボックスに届く |
自社アドレスから送る、という部分
配信サービス経由で送ると、差出人はサービス側の基盤になります。返信が現場の見ているメールボックスに届かず、送信済みトレイにも残りません。見積書のように返事が来る前提の文書では、これは実務上かなり困ります。
OAuth 2.0で自社のGmail / Microsoft 365メールボックスから送れば、sales@ のような共有メールボックスからの送信(Send As)にも対応でき、返信はそのまま同じ場所に届きます。担当者が休んでいても誰かが見られる、というだけで運用が変わります。
構成する部品
帳票側(PDF Pro) — レコードの値と明細行をテンプレートに差し込んでPDFを生成し、レコードの添付ファイルフィールドに保存します。テンプレートはWordのように直接編集できる設計です。
送信側(Kinplug Mail) — レコードの添付ファイルを選んで、宛先・件名・本文にレコードの値を差し込み、自社のメールボックスからOAuth 2.0で送信します。CC・BCC、送信前の確認画面にも対応します。
補足: PDFをレコードに自動添付する動作にはレンダリングサービスの設定が必要です。ブラウザの印刷ダイアログ経由で出力する構成では、生成したPDFのデータをスクリプト側で受け取れないため、添付までは行えません。
導入前に確認すること
(1) 添付ファイルフィールドの扱い。 既存の添付を消さずに追記されるか確認してください。1件だけ書き込むAPIの使い方をすると、既存ファイルがすべて消えます。
(2) 共有メールボックスから送れるか。 個人アカウントからしか送れない構成だと、担当者不在時に返信が滞ります。
(3) 送信記録がkintoneに残るか。 いつ誰に何を送ったかがレコード側から追えないと、結局メーラーを見に行くことになります。
よくある質問
Excelのテンプレートをそのまま使えますか?
そのままの読み込みには対応していません。ただしPDF Proのデザイナーは、Wordのように直接ページ上で編集する設計です。既存の帳票レイアウトを再現して、レコードのフィールドを差し込む形で作り直すことになります。
明細行(サブテーブル)は反映されますか?
反映されます。明細テーブルは行単位でページ分割され、続きのページにも見出し行が繰り返されます。
送信前に内容を確認できますか?
できます。宛先・件名・本文・添付ファイルを確認してから送信する画面が開きます。差し込み内容の確認もこの時点で行えます。
受信者にkintoneのアカウントは必要ですか?
不要です。通常のメールとして任意のアドレスに届きます。
PDFをレコードに自動添付するには何が必要ですか?
レンダリングサービスの設定が必要です。ブラウザの印刷ダイアログ経由の構成では、生成されたPDFのデータをスクリプトが受け取れないため、印刷・保存はできても自動添付は行えません。